2006年06月25日

<No.7> 市井のソーシャルイノベーターたち F

あらためてNPOってなんなんだろう

吉田信雄

「NPOとは何か」。学問的、哲学的な答えを書くつもりは全くないのですが、これまでも、いろいろな場面で訊ねられてきたフレーズ。しかし、未だに、「生活者」として納得いく答えが見つからないまま。本稿を執筆する過程を通じて、今の時点で、少しでも納得のいく答えを導きたいと思う。同じ悩みをお抱えの方は、お付き合いいただき、コメントをいただけるとありがたいです。






NPOがわかりにくい理由(わけ)
−NPOは「手段」であって「目的」ではない−


NPOがわかりにくい理由は、

「何をする目的で集まった団体なのかがわかりにくい」

ことにつきると思う。

「NPOって何するの?」という問いに

かえってきそうな答えを思いつくままにあげると、

ボランティア活動、社会貢献活動、

…と、ここまでは良いけど、

コミュニティ・ビジネス、非営利活動? 、NPO活動? などなど。

NPOがわかりにくいのは、

実は、以上の「何をする」というに部分が

ハッキリとしないところにあると思う。


「商売か否か」で整理してみる
−お客様からお代をいただくのか否か−


それならばと、以上の言葉を「商売か否か」で、

以下のようにグルーピングしてみたいと思う。

ちなみに「商売か否か」は、

「サービスの相手方からお金をもらうのか否か」

で分けることとする。

商売ではない活動とは、

ボランティア活動、市民活動、社会貢献活動

商売である活動とは、

コミュニティ・ビジネス、非営利活動

以上のように、分けてみた。


NPOの商売は法律で禁止されてるのでは?
−社会のためを優先し、必要以上にもうけない商売はOK−


さて、NPOとは、

英語のnon-profit organizationの頭文字をとった言葉で

日本でいうこところの「民間非営利組織」。

国語辞書で調べてみると、

「非営利法人」とは

「公益に資することを目的とし、存続に必要な利益以上にもうけること、

つまり営利を目的としない法人」とある。

「非営利」とは

要約すれば「社会のためを優先し、必要以上にもうけない商売」。

日本にある代表的な非営利法人は、

例えば、私立学校を経営している学校法人や、

病院を経営している医療法人など。

その他、財団法人、社団法人など、様々な民間非営利組織がある。

ちなみに、民法では、「非営利」とは

「構成員間での利益配分をしないこと」であると解釈されていて、

「商売をしてはいけない」という意味で使われてはいない。


NPOと付き合う勘どころ
−何の目的のための、どんな手段なのか−


さて、一般的に、

「民間が行う活動は営利活動」と「役所が行う活動」

という2つの枠組みで世の中を捉えることが多く、

「民間が行なう社会貢献活動」と「民間が行う非営利活動」という

2つの枠組みは、まだまだ、馴染みが薄い。

さらに、NPOがわかりにくいのは、

馴染みが薄い上に、

「民間が行なう社会貢献活動」と「民間が行う非営利活動」という

一見、大差のないようにみえる二つの言葉が指している領域が

かなり広いことににある。

「社会のために、商売を目的としない活動」
(例えば、清掃ボランティア)から、

「社会のためを優先し、必要以上にもうけない商売」
(例えば、在宅介護サービス、スポーツクラブ、病院経営、学校経営)まで、

NPOという言葉が指しているのは、これほど大きな領域である。


NPOは目的ではない
−NPO=良いという評価は、そろそろやめましょう−


結局、「NPO」と言われただけでは意味を特定できない。

「何のために(why)、何を(what)、どんなやりかた(how)でいるのか」

というところがハッキリしないかぎりよくわからないのである。

「何を目的に」、「なぜ、NPOという手段を選択するのか」

それが明らかでない限り、NPOとは何かはハッキリしないままである。

単に、NPOなら「印象がいい」とか、「新しそう」とか、

NPOであること良いこと、NPOだから新しいとか、

形式的にNPOであることが、

目的や価値判断の基準になってしまっている場合もあるようだ。

NPOは手段であって目的ではない。

まずは、このことを自覚しておくべきだというのが本稿での結論。

市井のソーシャルイノベーターのすごさを知るためにも、

NPOと聞いただけで「すごい」というのではあまりに貧しい。

これは、当たり前のようで、大事な勘どころでもある。
posted by CAC at 12:28| Comment(1) | TrackBack(0) | ソーシャルイノベーション | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「市井のソーシャル・イノベーターたち」

を少し手直ししました。

バックナンバーのリンクを作りましたので

ご覧ください。

「市井のソーシャル・イノベーター」とは
http://cac-journal.seesaa.net/article/361100.html#more

ビジネス+(プラス)
〜個人の生き方を通して市民社会の未来を考える〜
http://cac-journal.seesaa.net/article/846457.html#more

庁内ベンチャーが地方自治にイノベーションを起す!
http://cac-journal.seesaa.net/article/1814295.html#more

コミュニティ・プロデューサーを考える
http://cac-journal.seesaa.net/article/3910225.html#more

自治体のNPO助成を考える
http://cac-journal.seesaa.net/article/6611088.html#more

2007年問題とコミュニティ・ビジネス
http://cac-journal.seesaa.net/article/10775752.html#more

Posted by 吉田信雄 at 2006年07月01日 21:41
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